先週の週末、香織は土曜日に休みを取った。元より土曜は暇なので彼女が休んでも問題はなかった。
 理由は表向きは「法事」だったが、実は義体のメンテナンスだ。月に一度なのだが、今回は色々とイジるそうで、二日かかるとの事だった。先月は単なる定期点検なので一日で済んでいる。月曜に顔を合わせた時に
「どうだった?」
 と尋ねると
「後で色々とお話します。楽しみにしていて下さい」
 そんな事を言って意味深な笑みを浮かべた。そんな週末。土曜の夜に香織は俺の部屋を訪れた。
「二週間ぶりか」
 招き入れてソファーに座らせ香織用に調整して煎れたお茶を出す
「ありがとう。私がどう変わったか興味あるでしょう」
 思わせぶりな事を言う
「見た目は特に変わったことは無いと思うが」
 正直な感想を口にした。
「今回は躰のセンサーソフトのファームウェアを更新したの。その為センサーの感度が上がったのよ」
「つまり」
「感度が良くなったのよ」
 そう言いながらブラウスのボタンを外す。そして脱ぎ去り、壁のハンガーに掛けた。見事な二つの双丘がブラジャーに包まれていた。
「それと、触って貰えば判るけど……」
 言いながら背中のホックを外す。何時も通りの見事さだった。
「触って」
 香織はそう言って俺の手を掴んで自分の胸に持って行った。
「これは!」
 これまでの香織の胸は良く言えば、プリンプリンで弾力が少し強かった。香織に言わせると中学や高校生の胸の感じだと言っていた。だから横になっても通常なら横に崩れるが、それほど崩れなかったのだ。だが今日の香織の胸の感触はもっと自然で同年代の女子の胸の感触だった。
「そんなに揉まれると感じてしまいます。センサーの感度が高くなったので、今まで以上に感じるの」
 香織は既に頬を染めていた。香織が俺に抱きついて来て唇を重ねる。糸を引くような感じとはこんな感じなのだろう。
「体液も水では無く、粘りも僅かですか出るようになりました。大分、人に近づいて来た感じです。試して下さい」
 香織を抱き抱えてベッドに運んで行く。
「少し軽くなったのですよ。判りますか」
 正直、言われるとそんな気もするが、ハッキリとは判らない。
「痩せたと言われたいのか?」
「はい」
 俺の腕の中で香織は嬉しそうな表情を見せた。
 ベッドに寝かせると見事な胸が僅かに横に流れた。全く自然な感じで、これまで合った僅かな違和感はそこには全く感じなかった。
 自分の衣服を脱ぎながら
「じゃあ、この先も感度が良くなってのかな」
 当然な想いだった。
「それも含めて試して下さい」
 目の前の香織は一糸纏わぬ姿になっていた。 
 その後、香織は今までより喜びを露わにした。
「わたし、好きな人と一つになる喜びは判っていたつもりですが、今日は認識を改めました」
 そんなことを言って来た
「どんな認識なんだ」
 未だ一つになったままの姿だった。
「好きな人と交わる事がこんなにも喜びに溢れているなんて想像も出来ませんでした。これ癖になりそうで怖いです」
 そう言って俺の背中に手を回して激しく求めて来たのだった。
 今回、香織と交わって見て判ったのは、普通の人間と同じような感覚になって来たこと。体液も普通の人間と同じようになったこと。それ以外にも色々とあったが、一様にそれまでの不自然さが影を潜めたことだろう。