2015年04月

氷菓二次創作  共に生きる

 表で車が停まる音がした。誰が来たのかは判らないが、どんな人なのかは判った。千反田は恐らくその人物を知っているのだろう。顔色が悪い……
「折木さん、OB会の会長は恐らく折木さんは会った事はないと思います。でも実はわたし達に関係の深い人物なのです」
 自分達に関係が深いとは、共通の知り合いだと言う事だろうか? 兎に角考えている暇は無かった。お袋さんが玄関に迎えに出て行った。
「こちらに居ますよお兄さん」
 何と言ったのだろうか? 「お兄さん」とは……
 千反田のお袋さんは関谷家の生まれだ。関谷純とは兄妹になる。まさか……他にも兄弟がいたのだろうか?
 お袋さんの招きで入って来た人物は六十を幾つか過ぎてると思った。
「折木くん、こちらはわたしの兄で、『神山高校OB会』の会長でもある関谷喬よ。お兄さんこちらが、えると将来を誓い合った折木奉太郎さんです」
 紹介された関谷喬と言う人物は中肉中背の歳相応の人物だった。千反田やおふくろさんに似ていると思った。
「はじめまして、関谷喬です。そう言うよりも、あなたには、関谷純の双子の弟と言った方が馴染みやすいかな」
 俺はこの時ほど驚いた事は無かった。関谷純に双子の弟が居たとは……
「相 当驚いたみたいだね。無理もない。当時を知っているものは、もう神山には少なくなった。あの騒動の本当の責任者は実はわたしだったのだ。学校側が責任者を 追求した時、兄がわたしの代わりに名乗り出てくれた。そしてわたしに『俺は恐らく退学になるだろう。だから関谷の家はお前が継げ! これは兄としての命令 だ』そう言って自分は『悲しき英雄』となったのだ。それが本当の真相だよ。その後、わたしは神山高校を卒業し、大学に進み、やがてこの街に戻って関谷の家 を継いだ。兄はその頃から海外に行くようになり、知っての通り9年ほど前に行方不明になった。葬儀までしたのは知ってると思う。わたしが何故OB会の会長 に収まったかというと、これは兄の意志を継いだからだ。あの時、わたしの代わりになってくれた兄の希望は末永く神山高校に関わり、優秀な人材を輩出する事 だった。その意志を継いだのだ。勿論、今や実質的な事は鉄吾くんがやってくれているし、行政面では陸山鷹芳くんがやってくれているからね。わたしは単なる お飾りでしか無いがね」
 そこまでを関谷喬と名乗る人物は一気に話した。それは俺にとって驚きでしか無かったのだが、考えてみれば関谷純が「悲しき英雄」になるのには後顧の憂いがあってはならないはずだと思った。双子の兄弟がいればそれは消える。
「わたしの会長の座ももうすぐ終わる。次は鉄吾くんか、陸山だね」
「陸山というと……」
「そう先年まで生徒会会長 をしていた陸山宗芳くんのお父さんで、現岐阜県会議員にして次期知事の噂も高い陸山鷹芳くんだよ。どちらが会長になってもOB会は安泰だ」
 陸山宗芳の親が議員だったとは知らなかった。ついこの前まで何も知らない一介の高校生だった俺がこうして生臭い話に巻き込まれるとは思ってもみなかった。
「えるは美しい娘に育った。兄がどんなにこの子を可愛がっていたかは、君も聞いて知っているだろう。そのえると一緒になると言う事は、兄関谷純の意志を継ぐ事に他ならない。それは納得して貰えるね」
 関谷喬がそこまで言うと千反田が
「おじさま、わたし達は未だ高校生です。OB会などは未だ先の事です。今は学生の本分を全うしたいです」
 そう言って俺の肩に手を回した。
「ま あ、そうなのだが、千反田の家を継ぐという事は色々なしがらみも背負って行く事なのだよ。今日は折木くんにそれだけを判って欲しかったんだ。話はそれだけ だ。折木君、話に聞くと君は中々優秀らしい。だからあえて言うが、君なら純が成し得なかった事を達成出来ると信じているよ。それでは……繰り返すがわたし はもうじき会長の座を退く。そうしたら二度と会う事も無いかも知れない。だから、こうしてやって来たんだ。今日は会えて良かった」
 関谷喬はそう言うと千反田のお袋さんに連れられて玄関から出て行った。千反田が見送りに出て行き、帰って来て
「おじは悪性の癌で余命幾ばくもないのです。きっと最後にどうしても折木さんに伝えたかったのだと思うのです。それを判って下さい」
「千反田、本当に今日は驚いた。まさか関谷純が双子だったとは……お前はどうして今まで教えてくれなかったんだ?」
 俺の質問に千反田は小さな声で
「実 は、わたしは喬叔父とは余り仲が良くありませんでした。兄の純叔父とは幼い頃から親しく接していましたが、エリート教育を受けた喬叔父はどちたかと言うと 子供嫌いでした。そんな訳で関谷の家とも疎遠になっていたのです。本当は早くから言わなければならなかったのですが、今まで言えませんでした」
 言いたくない事や出来れば秘密にしておきたい事は、人それぞれあるものだ。折木の家にも小さな事だが色々とある。ましてや旧家の千反田なら、これからも俺が驚く事はあるだろう。今は千反田を責める事は出来ない。
「怒ってないと言えば嘘になるが、この事でお前を責める事はしない。ひょんな事からOB会の秘密を知ってしまったが、今はこれも受け入れていくしかない。きっと、俺が将来入会した時には、もっと色々とあるのだろう。今は俺に言えない事もな……」
「折木さん!……」
 千反田が俺に抱きついて来た。優しくそれを受け止める。思えばこいつは自分の意志というより家の意志を強制的に受け入れさせられて来ていたのだろう。それを思うと千反田えるという人間もある意味犠牲者だと思ったのだ。
「大丈夫だ。俺は今やそんなヤワな人間じゃ無い。将来、俺がOB会を仕切るようになったら。色々な改革をしてみせるよ。安心しろ」
 お袋さんが俺の言葉を聴いて僅かに笑みを浮かべた。「お手並み拝見」という事なのだろう。今の俺には「お前と共に生きて行く」という事しか言えないと思ったのだった。

  このシリーズ 了       

氷菓二次創作  「里志の告白」

 俺は「神山高校OB会」について里志や伊原から色々と教えられたが
「里志、最後に大事な事を訊きたい。いいかな?」
 俺の質問に里志は相変わらずの調子で
「なんなりと訊いて欲しいね。答えられる事だったら何でも話してあげるよ」
 そう言って伊原の隣に座った。
「じゃあ訪ねるが、OB会の『脚長蜂の会』だが、貧しい在校生に援助をすると言う事だが、その情報は生徒会が元になっているのか?」
 里志はそれを聞いて、さもありなん、と言う顔をした。
「さすがホータローだね。そこに気がついたか。そうだよ、中心となっているのは主に『総務委員会』さ、生徒の身上を調べて『脚長蜂』の会に報告するのさ」
 やはり思った通りだった。
「どんな事を調べる?」
「そうだね。指示があった生徒には、通学の方法から成績は勿論のこと、お昼ご飯の中身まで報告するよ。そうしなければ本当にその生徒が進学について困ってるかは判らないだろう」
「里志、それは個人情報の漏洩になるんじゃないのか?」
「何 言ってるんだいホータロー。この神山にOBがどれぐらい居ると思っているのさ。いいかい、市長を始め、銀行の幹部、教育界、経済界、農業関係、至るところ にOBは居るんだ。それぞれ最終学歴は違うけど、高校は皆、神山高校なんだよ。OBの結束は固い。この神山で神山高校の存在を無視したら、それこそ生活し て行けないと思うよ。僕の両親も、麻耶花の両親も、千反田さん、それにホータローの両親だってOBじゃないか!」
「陰の組織と言う訳か」
「まさか、OB会は開かれた会だし、毎年同窓会を市内のホテルで開催しているよ。神山高校のOBなら誰でも参加出きる。尤も、その場で交換される情報は貴重なものだけどね」
 里志に言われて気がついたが、俺が普段接してる大人は皆神山高校出身だと気がついた。俺も知らず知らずに、その中に組み込まれていた訳だと思った。
「兎に角、ホータローは、その存在を知ったばかりだから、今は混乱してるだけだよ。見てごらん、僕や、麻耶花、それに千反田さんが悪人に見えるかい? 見えないだろう? だから何も心配する事は無いんだよ」
 確かに、里志にそう言われてみれば、そうなのだ。個人情報を色々と調べあげている、と言う事実を気にしなければ何も不安がる事は無いのだ。
 隣に座った千反田が、俺の手を自分に引き寄せて、手の平に文字を書いて来た。里志や伊原の前では口に出来ない事なのだろうか?
「あ・と・で・お・は・な・し・が・あ・り・ま・す」
 あとでお話があります……思わず千反田の顔を見たかったが、二人に変に思われると不味いので素知らぬ振りをする。
「そうか、判ったよ。だが、その調べた情報は援助以外には使われないんだろうな?」
「だと思う……僕にはそれしか言えない」
「判った。俺もこの事は口外しない事を約束する」
「頼んだよ。総務副委員長の口からこんな事がばれたと判ったら僕の立場は怪しくなってしまうからね」
 そこまで経った時に下校のチャイムが鳴った。
「じゃ、そう言う事で」
 里志と伊原は連れだって帰って行った。
「千反田、俺達も帰ろう。今日は自転車か?」
「いいえ、お天気が怪しかったのでバスで来ました」
「なら都合が良い、送って行くよ。その途中で話を聞こう」
 千反田と一緒に教室の鍵を返して校門の外のバス停に向かう。
「折 木さん。わたし思ったのですが、OB会の情報はかなり綿密に調べられているみたいですね。市役所や銀行、農協、郵便局、その他色々な所に居るOB達が情報 を寄せていると思われます。その情報はとても貴重だと思うのです。もし、誰かがその情報を欲しがってる企業等に売ったりしたら……」
 そこまで千反田が言った時に後ろから肩を叩かれた。振り向くと知っている顔だった。
「あなた達、学校でそんな物騒な話をしてはいけないわよ。こっちいらっしゃい」
 知った顔は司書の糸魚川養子先生だった。
「全く、折木くんには本当に驚かされるわね」
 
 糸魚川先生に案内されたのは学校近くの喫茶店だった。
「時間が早ければ、司書室でも良かったんだけど。もう遅いからここにしたわ。ここならOB会に関して何を言ってもOKよ」
「じゃあ、ここは……」
「そうOB会の理事の一人が経営してるお店だから」
 全く、こんな場所までOB会の拠点だとは思わなかった。
 俺と先生はブレンド、千反田はココアを頼む。
「ど うやら総務副委員長の福部くんから詳しく聞いたみたね。でも学校ではうっかり喋ってはイケナイわよ。誰に聞かれているか判らないから。実はね、今、その情 報を欲しがってる所がかなりあるのよ。OB会としては援助以外の目的には使うつもりは無いから秘密を守ってるけど、なんせOB会の規模が大きくなりすぎて 何処から情報が漏れないか心配なのよ。だから、学校では禁句なのよ判った?」
 糸魚川先生から言われて、情報を有効に活用しようと言う一派が存在する事を知った。千反田の親父さんはその勢力と対決しているのだと言う。
「情報を活用するとは……」
「売 る事よ。売ってお金儲けをしようとしてる人たちが居るのよ。それをOB会の資金にして色々な事をやろうと考えてるのよ。でもそれじゃ会の趣旨に反してる し、そもそもお金儲けが目的じゃ無いしね。それと千反田さん、あなたは知ってるか判らないけど、叔父様の関谷純さん……名誉会員なのよ。彼にはその資格が あるから……」

 糸魚川先生の話は千反田も全く知らなかったようで、最後の事は本当に驚いていた。そして今更ながら関谷純が神山高校の生徒に与えた影響は大きいと思った。
「折木さん、叔父の事も驚きましたが、情報に関して、やはりわたしの不安が……」
「千反田、大丈夫だ。親父さんや俺達の周りにいるOBは皆俺達の仲間だと思うぞ。心配なんてしなくてよい」
 先生にご馳走になり礼を言って、店を後にする。
 糸魚川先生によると例えバスの中でもうっかりとは言えないそうで、結局、千反田の家まで話は出来なかった。
 家に着くまで俺の手を放さなかった千反田だが、家に着くと、やっと落ちついた様だ。
「お帰りなさい。あら今日も折木くんに送って戴いたのね。悪いじゃないですか」
 お袋さんはそう言ってくれ、昨日の事など微塵も感じさせなかった。
「実は、OB会の色々な事を知って、帰り際話そうとしたら、糸魚川先生に、やたらと口にしてはならないと教えられまして、ここまで来てしまいました」
「あら、養子先輩にそう言われたのね。そう……なら、ちょっと早いとは思うけど、会長に紹介しておこうかしら?」
 お袋さんはそう言って意味りげな表情をする。手に持っていた携帯を操作すると
「千反田です……どうも、お世話になっております。実は先日少しお話した例の事なのですが、都合は如何でしょうか?……はい、そうです……そうですか。ではお待ちしています。失礼致します」
 そう言って通話を切った。
「会長がこれからここにいらっしゃるわ。折木くんに紹介出来るわ」
 まさか、俺はこんなにも早くOB会の会長と逢うとは思ってもみなかった。


氷菓二次創作 「真実は……」

 千反田家で夕食をご馳走になると、千反田のお袋さんが車で家まで送ってくれるという。走ってでも帰れると申し出たのだが、
「供恵さんが居たら話があるのよ。色々とね。直接会って話せる機会だから」
 と言ったので、甘えることにする。勿論千反田も一緒に車に乗って来た。後ろの席に一緒に座りながら俺の手を必死で握っている。まるで、手を放すと今生の別れとなる感じだった。
「折木さん、わたしこれから何かとんでもない事が起きるのではないかと不安なのです」
 小声で俺の耳元で囁くように言うが、恐らくお袋さんは千反田の不安なぞお見通しなのだろう。
「大丈夫だ。何も心配することは無い」
  そう言って安心させるが、俺だって特に考えがある訳では無かった。今は兎に角千反田を安心させればそれで良かった。それに、お袋さんが姉貴に話がある。と 言ったのは恐らく「女郎蜘蛛の会」の事だろう。姉貴がその存在を俺にちらつかせ、親父さんやお袋さんがその存在を認めた……その事に対する事なのだろうと は俺でも容易に想像する事が出来た。
 家に到着すると、姉貴が玄関まで出ていた。車からお袋さんが降りて来る姿を見つけ、僅かに微笑んだ。
「奉太郎を送って戴き、ありがとうございました。申しわけなかったです」
「あら、良いのよ。丁度あなたと、今後について話し合う必要も出て来た事だし」
「とりあえず、上がって下さい。何かいれますから。えるちゃんも上がって!」
 姉貴は恐らくこうなる事を予想していたのだろう。俺と千反田は大きな流れに巻き込まれて行くのを感じるのだった。
 
 姉貴は、リビングにお袋さんを通すと
「二人は奉太郎の部屋に行っていてくれる?」
 そう言われて、体よく退けられてしまった。さり気なく受話器を持って部屋に下がると千反田が
「折木さん。いったい母と供恵さんは何を話すのでしょうか? 『女郎蜘蛛の会』の事なのでしょうか?」
 そう言って表情を暗くする。
「千反田、別に『女郎蜘蛛の会』は非合法な事や後ろめたい事をしている訳ではないだろう。むしろ在校生に対しては色々と頼もしい存在じゃないのか?」
「確かにそうなのですが、わたし達が知らない事もやっているのではないかと……」
  千反田は頭が良い、それが余計な想像を生んでしまってるのではないだろうか? 不安を取り除く為に千反田を抱きしめる……甘く柔らかい感触が俺の心に火を つける。このまま押し倒したい所を踏み留まる。泣きそうな表情の千反田にそっとキスをする。そうするとやっと笑顔を取り戻してくれた。
 そして俺は事実を確認するために里志に電話をする事にした。
「里志か? 夜分すまんが、少々尋ねたい事があるんだ」
 突然の俺の質問にも相変わらずの調子で
「何だい、ホータローにしては珍しいじゃないか、明日の学校では駄目なのかい?」
「ああ、学校では聴かれたくない話なんだ。実は『神山高校OB会』の事でな」
 そう言った途端、明らかに電話の向こうの里志の感じが変わったのが判った。
「ホータロー、その事を詳しく訊いたのかい?」
「ああ、姉貴と千反田の親父さんから聞いた。『女郎蜘蛛の会』と『脚長蜂の会』の事もな」
「そ うかい、それなら僕も言うけど、別にホータローに秘密にしていた訳じゃないんだ。その存在は必要な者に対して明らかにすれば良い。という事になっているか らね。今の所、ホータローは学費に困ってる訳じゃないからね。恐らく想像している通り、色々な情報は我々『総務委員会』が関与しているんだ。これは個人情 報でもあるから、迂闊に話す事は出来ないからね」
 確かにそうなのだろう。普通の高校生活を送れる者に対してはその存在は不要だからだ。
「電話じゃ長くなるし、言い難い事もあるから、明日部室で話すよ。勿論摩耶花も千反田さんにも出席して貰ってさ」
「判った。それで構わない。じゃ、おやすみ」
「おやすみ、ところでそこに千反田さんが居るんだね。ホータローの呼吸やモノの言い方で判ったよ」
 電話口向こうでは何時もの里志に戻っていた。

 受話器をリビングに戻しに行くと、姉貴が
「丁度良かった。二人ともそこに座って」
 そう言って同席するように促された。言われた通りに座ると
「鉄 吾さんから聞いたと思うけど、その存在を知った今、必ず秘密にしてね。公にすると色々と困る事もあるからね。それと、OB会の会長は表立った名前の方だけ ど、実際は鉄吾さんが仕切ってるの。それは薄々判ったでしょう! 勿論、ここに居るえるちゃんのお母さんは『女郎蜘蛛の会の会長でもあるしね。ちなみにわ たしは理事の一人よ。あんたの知ってる在校生では、えるちゃん、摩耶花ちゃん、十文字さん、も関わってるわ。それに冬実ちゃん、入須さんも卒業したから正 会員になったわ。良い? 今言った事、必ず秘密だからね」
 別に言うなと言われれば言うつもりもないが、色々と困る事とはいったい何のだろうか? それが気になった。すると千反田のお袋さんが
「奉太郎さん。あなたもゆくゆくは千反田家の一員となるのなら、将来はOB会とも深く関わって貰います。それは納得して戴きますよ」
 そう言って俺と千反田に微笑みかけた。有無をも言わさぬ圧力を感じる。
「まあ、そんなに深刻になる事はないわよ。在校生にとってもOBにとっても悪い事はしていないんだから」
 姉貴が俺と千反田の感情を読み、その気持をほぐす様な事を言う。
「それでね供恵ちゃん。先ほどの案件だけど……」
 お袋さんが話の続きに戻ると姉貴が
「大丈夫だと思います。先ほど医院に連れて行きましたし、関係者も連れて行ってあります。今後どうするのかは、相談して貰う事になつています。今後はケアに移行して行くと思われます」
 そう報告をするのを聞いて俺も何の事かおぼろげながら理解出来た。
「そう、ありがとう。いつも適切な処置で助かるわ。次は兎も角、次の次は会長ね。頼もしい存在だわ」
 千反田のお袋さんが手放しで褒めていた。まあ、こいつなら楽勝だろうと想像出来た。
「それじゃ失礼します。折木さんおやすみなさい」
 千反田はそう言って車上の人となった。俺は見送りながら姉貴に
「なあ、俺に神山高校をさりげなく薦めたのはこれ含みだったのか?」
「当たり前じゃない……って言いたいけど、まさかあんたが千反田家の娘と親しくなるなんて思ってもみなかった、のが真実かな。でもこれは運命だったのかもね?」
 姉貴の言葉を聴きながら俺は運命と言う存在の事を考えていた。

 翌日、放課後地学講義室には四人の部員が揃っていた。何時もの席に座っている。
「里志、昨夜の電話の会話の続きだがな……」
「ああ、覚えているよ。ホータローは何が訊きたいんだい?」
 里志は何時もと変わらない口調で俺に尋ねた
「そうだな、まず何時から存在を知っていたんだ?」
 初めはそれからだと思った。あの入学間もない頃、千反田の「気になります」を避ける為に里志が提案した「女郎蜘蛛の会」の事の次第からだと思ったからだ。
「あ の時は、総務委員会に入ったばかりでね。詳しくは知らなかった。でもOB会に『女郎蜘蛛の会』や『脚長蜂の会』があるという事は知らされていたよ。勿論 入ったばかりの新入生に詳しくなんか教えてくれないけどね。あの時は『秘密クラブ』と言うことで相応しい名前だと思ったんだ。他意は無い。本当だ、その後 真実を知るに当たって二度とその名前を口にしなかったので、そのへんは理解してくれるかな?」
「ああ、それは判ってるつもりだ。だから今回、その存在を知って驚いたのさ」
 俺がそう言って伊原の方を見ると
「折木、正直に言うとね。総務委員会だけじゃ無いのよ。図書委員会もOB会に頼まれて色々と情報を教えているわ。そうでもなければ本当に困ってる生徒を救えないじゃない。人に言うべき事じゃ無いから普段は決して言わないけどね」
 伊原も係わっていたとは思わなかったが、すると生徒会は事実上OB会の下部組織みたいな存在なのかと思った。
 気がつくと千反田が俺の隣に座っていて、俺の手を机の下で繋いで来た。
「どうした千反田?」
 俺の問いかけに千反田は、やや視線を下げ
「わ たし、実はOB会に『女郎蜘蛛の会』や『脚長蜂の会』と言う会が存在するのは知っていました。でも、まさか在校生に情報を提供促していたなんて知りません でした。あの時、わたしが反応してしまったのは、存在を聞かされた『女郎蜘蛛の会』が秘密クラブでしかも秘密裏に部員を募集している。という事に反応して しまったからなんです。今なら、一笑に付すんですが……」
 千反田が申し訳なさそうに言う姿が愛おしく感じた。すると里志が
「何せ、正会員になるにはOBにならないと駄目だからね。在校生の間は僕と摩耶花や千反田さんのようにオブザーバーとしての活動になると思うよ。恐らく近々現会長がホータローに接触して来ると思うよ。それは覚悟していた方が良いね」
 それからも里志は色々と教えてくれたが、それは千反田の親父さんやお袋さん、あるいは姉貴から聞かされた事と重なっていた。恐らく本当の秘密は正会員にならないと判らないのだと漠然と思うのだった

氷菓二次創作 「神山高校OB会」

 千反田の入れてくれたキリマンジェロを飲みながら、先日の姉貴との会話を思い出していた……

『ねえ奉太郎、あんたえるちゃんと共に生きて行く覚悟が出来たなら、一度お父さんの鉄吾さんに色々と教えを請うた方が良いわよ』
『農業の事なら親父さんは結婚してからでも遅くは無い、今は広く世間を知り己の知識を増やす事が大事だと言ってくれたがな』
『農業の事ではなく、それこそ世間の事よ。それも我が神山高校OB会についての事。今のうちに知っておいた方が良い事よ』
『それはいったい何なのだ? 姉貴が知ってる事なら直接教えてくれた方が早いじゃないか』
『わたしが、あんたに言えるくらいなら、とっくに言ってるわよ。そうは行かないから鉄吾さんに教えて貰いなさいと言ってるの。いいわね、言ったからね』
 姉貴はそれだけを言うと自分の部屋に下がってしまった。何のことかは良く判らないが神山高校OB会の事となれば知らなくてはならないだろう。
 翌朝、サークルの用事で朝早く出かける姉貴がトーストを口に入れている俺に
『昨日の事だけど、わたしが関わってるのは【女郎蜘蛛の会】の事よ』
 なんだって! 「女郎蜘蛛の会」ってあれは入学間もない頃に俺と里志が作った作り話じゃ無かったのか?
『ふあねき、じょろおうごぐものかい』
『何言ってるか判らない! あとは鉄吾さんに尋ねなさい。じゃね!』
 トーストを口に入ったまま、ろくに話せない俺にそうと告げると姉貴は出かけてしまった……

「折木さん、どうかしたのですか? 何かありましたか?」
 想いに耽っていた俺を心配するように千反田が隣に座ってくれた。今は着替えて、春物のオレンジ色のカーデガンに白いフリルの付いたブラウスを、もえぎ色のフレアのスカートと共に着ていた。こいつは原色よりこういう中間色が良く似合う。
「いや、何でもない……そうだ、千反田は『女郎蜘蛛の会』って聞いた事あるか?」
 その俺の言葉を聞いた時の千反田の顔は驚きに満ちたものだった。
「折木さん。そのことはもしかして供恵さんからお訊きになったのですか?」
 千反田は俯いた顔を上げてまっすぐと俺を直視した
「いや、詳しくは知らない。姉貴は今後、俺がお前と共に生きるならば知らなくてはならない事だと言った。正直驚いている。何故なら『女郎蜘蛛の会』とは……」
「そうです。入学間もない頃に折木さんとわたしと福部さんで『初心者ほど奇をてらう』と言う結論に達した部員募集のポスターの貼り方のことでした」
 俺はあれは里志が言い出した事なので、そのまま使ったのだが、大体「女郎蜘蛛の会」なんてのはアイザック・アジモフによる短編に出て来る推理を楽しむ他愛ない会ではなかったのか? まさか本当に存在し、神山高校のそれもOB会にあるとは思わなかった。
「折木さん『神山高校女郎蜘蛛の会』は実在します。わたしも詳しく知ったのはもっと後の事でした。でもあの時福部さんは、恐らく詳しくは知らなくても名前だけはご存知だったのかも知れません。詳しくはこの後父に尋ねてください……」
 千反田はそれだけを言うと口をつぐんでしまった。口に残ったキリマンジェロの酸味がやけに口に残った。

 そのうちに親父さんが仕事から上がって来て、俺の姿を見つけると
「やあ、奉太郎君。今日はえるを送って来てくれたのかい? ありがとう」
 そう言って穏やかな笑顔を見せてくれた。俺はその姿に
「それもあるのですが、実はお尋ねしたいことがありまして……」
「込み入った事かな?」
「はい、神山高校OB会の事で……」
 俺が、その事を口にした途端親父さんの顔が引きまった。
「そうか、それなら着替えるから少し待っていて欲しい」
 親父さんはそう言うと奥に行ってしまった。お袋さんがその後を追う。それを見送った千反田が心配そうに
「折木さん。本当はわたしがもっと早く言わなければならなかったのですが、きちんとお話をするにはやはり父からの方が良いと思ったのです」
「姉貴は、お前と共に歩むなら知っておかなければならないと言った。それならば、どの様な事でも聞いておかなければならないと思っている」
 俺が千反田にそう告げるとやっと安心いた顔をした。

 程なく奥から親父さんが俺たちが居るリビングに出て来て
「お待たせしたね。尋ねたい事とは……」
 そこで、俺は先日姉貴から言われた事をそのまま語った。
「そうか、供恵くんがそう言ったか……ならば、いずれは知らなくてはならない事だ。いい機会なので話をしよう……まず、神山高校にはOB会がある。これは知ってるね?」
「はい、知っています」
「うん、そのOB会は卒業年度順や、クラス分け順等色々な分け方があるのだが、その女子の部の名称が『女郎蜘蛛の会』というのだよ。これに対して男子の部は『脚長蜂の会』というのだ」
 男子にまで会があるとは思ってもみなかった。
「それで、どんな活動をしているのですか?」
 俺としてはその方が大事だ。ましてや千反田家にも関わる事なら知っておかなければならない。
「う ん、まず、男子の方から説明しよう。『脚長蜂の会』は文字通り『あしながおじさん』をモジッたものだ。一番の目的は苦学生に対する援助だ。神山高校生で家 庭の事情で金銭的に困って進学や高校生活を続けられない生徒に支援をする事が一番の目的なんだ。それと親睦。これは言わなくても良いね。活動している会員 の殆んどは神山在住者が多い。都会へ出てしまった者は金銭の支援意外に活動出来ないからね。だから神山の経済界を動かしてるとも言えるんだ。その意味は判 るね……つまり、神山の農業にも深く関わってるのだよ」
 そうか、神山高校OB会は単なる親睦や同窓会を行うだけの会では無かったのだ。では「女郎蜘蛛の会」はどうなのだろうか?
 親父さんは、お袋さんが持って来てくれたお茶を旨そうに飲むと
「ウチの家内も卒業生だから勿論会員だし、君の父親のあいつも勿論会員だ。『女郎蜘蛛の会』の一番の目的は夫を陰で支え、神山を豊かにすること。勿論親睦的な事は言う間でもないし、女子の社会的地位の向上や、在校生に対しての色々なケアもそれだ」
「ケアとは具体的にどうするのですか?」
 思えばつまらない事を訊いてしまった。すると親父さんの代わりにお袋さんが
「色々とあるでしょう。あなたとえるの間では未だ何も無いようですが、中には関係が進みすぎて問題になってしまう事もあるでしょう? そんな時に陰からサポートしてあげるのです」
 なんと、お袋さんはそこまで俺とえるの関係も判っていたのか! 慌てて千反田を見ると、真っ赤になりながら両の手を左右に振って、自分が言ったのでは無いと、否定している。
「えるからは何も訊いていませんよ。娘の態度や行動を見れば、それぐらいは判りますよ」
 お袋さんはそう言って笑っている。やはり千反田の母親だけの事はある。只者では無かった。
「兎に角、千反田家は『神山高校OB会』と深く関わっている。いずれ君も我が家に来てくれるなら、もっと細かい所まで知らなくてはならないが、今はこれだけでも充分だろう。さあ、夕飯までいま暫くある。夕食を食べてから帰っても遅くは無いだろう」
 親父さんはそう言って笑っていた。俺は新たな気持になるのだった。

 夕食が出来るまで、と言うので千反田の部屋で二人だけになる事にする。襖を閉めると千反田の両手が俺の背中に回った。
「今まで黙っていてごめんなさい。言うタイミングを測っていたのですが……」
 千反田の柔らかい感触を充分に楽しみながら俺も、カーデガンを脱いだ千反田の背中に手を回す。
「折 木さん、ここのところ折木さんのことが頭から離れません。お付き合いもして、将来を約束したのに、あれから折木さんのことが頭から離れないのです。恋しく て恋しくて……とても自分とは思えないのです。だから今日の事はとても驚きました。今まで言わなかったのが申し訳なく……」
 背中の千反田の手が強くなった。
「大丈夫だ。今日初めて聞いたが、きっとOB会の事も上手くやってみせる。お前を悲しませる事だけはしないから安心しろ!」
「嬉しいです……」
 大きな瞳に涙をいっぱい貯めた千反田の唇に口づけをする。それは何時もより一層情熱的だった。


 了

氷菓二次創作 「バスの中での出来事」

 春四月になり、わたし達は無事に三年生に進級することが出来ました」。もっとも福部さんは春休みに随分と補習に通っていたそうです。それを知っているのは、摩耶花さんが毎日のように電話をかけてくれたので会話の中でその事を話してくれたからです。
 でもこの四月が特別嬉しいのは折木さんの誕生日があるからです。わたしとしてはそれが一番嬉しいのです。古典部四人の中で一番最初に十八歳になる……大人の仲間入りをするという事なんですね。
 今日は、教室の掃除当番でしたので古典部に行くのが遅くなってしまいました。この時間なら折木さんが古典部に行くつもりなら、もう地学講義室にいらっ しゃると思い、まっすぐに教室に向かいました。もし、誰も居ないならば折木さんも福部さん摩耶花さんも今日は帰ったと言う事なので、わたしも帰ろうと思っ ていました。
 特別棟の四階に上がると福部さんと摩耶花さんが手を繋いでこちらに歩いて来るのが見えました。
「ああ、ちーちゃん。今日はふくちゃんと用事があるから古典部はお休みするわね」
「悪いね、明日は出るからさ」
 おふたりともそんな事を言ってわたしに気を使ってくれます。そうです「春旅行」から帰って、一層親密さを増したわたしと折木さんです。おふたりともそこに気を使ってくれているのだと思うのです。
 扉を開けるといつもの窓際に折木さんは座っていて文庫を読んでいました。以前と変わらない様子に安心を感じます。
「こんにちは折木さん」
 声を掛けると直ぐに返事が返って来ます。
「おお、千反田。今日は掃除当番でもやっていたのか?」
 さすがは折木さんです。既に見ぬかれていました。
 わたしは、お湯を沸かしお茶を入れて持って行きます。
「ありがとう」
 折木さんはそう言って目を文庫から離さずに手だけでお茶を取ろうとするので
「駄目ですよ! 熱いですからヤケドでもすると大変です」
 そう言ってたしなめると、折木さんは笑いながら
「そうだな、モノグサは返上しなくてはな。お前の為にもな」
 そんな事を言ってくれる折木さんの笑顔がとても眩しく感じられました。
「千反田は今日は自転車か?」
「はい、朝お天気が悪かったのでバスで来ました」
「じゃあ、家まで送って行こう。二人だけならここで『古典部』やってなくても良い訳だしな。それに、今日は親父さんに訪ねたい事もあるんだ。急がなくても良い事だが、訊ける機会があるなら、それに越したことはない」
 折木さんが父に何を尋ねるのかは判りませんが、家まで送って戴けるのは嬉しい事です。何故ならずっと折木さんと一緒に居られるからです。

 学校の前のバス停で待っていると程なくバスがやって来ました。乗り込み運転手さんの後ろの横向きの席に並んで座ります。部活をしない生徒はもうとっくに帰ってしまっていて、この時間はバスは空いてるのです。
 バスに折木さんと並んで座っています。折木さんが運転手さん寄りでわたしの右側に座っています。二人共鞄を膝の上に載せています。
 その鞄に隠れて折木さんが左手をわたしに伸ばして来て、そっとわたしの右手に繋ぎます。誰にも判らない二人だけの秘密です。
 わたしが顔を上げて折木さんの方を見ると、折木さんも、わたしだけが判るように笑顔を見せてくれました。
 ふと、通路を挟んだ前の席を見ると、西高の制服を着た女子生徒がおかしな表情をしているのに気がつきました。良く見てみると顔を真赤にしています。女子がバスの中でこんな表情をするのは滅多にある事ではありません。
 更に注意して見てみると、何と隣に座った中年のサラリーマンとおぼしき人が、女生徒に悪さをしているようなのです。
 これはイケマセン。バスの中で昼下がりにこんなハレンチな事をするなんて許せないと思いました。
 中年の男性は何と女生徒の膝を指で突っついているのです。女生徒は顔を真赤にして耐えています。そうです、きっと怖いのでしょう。思い切ってわたしが声を掛けましょうか?
 そう思っていたら、中年の男性は自分の鞄から手帳を出して何か書いています。書き終わるとそれを破って女生徒に見せました。
 すると、女生徒は慌てたようになり、自分の襟を何回も確認して何かを取る仕草をしました。そして今までとは違って何回も中年の男性に頭を下げていました。
 そして数駅経つと降りて行きました。中年の男性も次の停留所で降りてしまいました。わたしは何が起こったのか理解出来ませんでした。
 隣の折木さんを見ると、全て理解したような顔をしています。前髪を手で触っていたからです。
「折木さん。前の席の事お判りなんですか?」
 小さな声で尋ねると折木さんはわたしの方に顔を向けて
「ああ、全て判ったよ。知りたいかい?」
「知りたいです。そして気になります!」
「それを言われては説明しなくてはならないな……まず何から話したら良いかな」
 折木さんは、再び前髪を触ると
「男性は女生徒に悪戯をしようとしていた訳ではない。最初、千反田が気がついた時女生徒の態度はどうだった?」
「顔を真赤にしていました。どう見ても悪戯されてると思いました」
「そう、一見そんな感じだった。それは男性が最初女生徒の肩を叩いていたからなんだ」
 わたしが見る前にそんな事があったとは気がつきませんでした。
「だが、それで自分の方に気を向けてくれないと思った男性は今度はハッキリと判るように女生徒の膝を指先で突き始めた」
 そうです。それはわたしも確認しました。
「女生徒は完全に痴漢行為だと勘違いしたのだろうな。表情が怯えてしまった。このままなら良くないので俺も注意しようかと思っていたのだが、男性は自分の鞄から手帳を出して何かを書いてそれを女生徒に見せた」
 そうです。わたしもそれは確認しました。
「それを読んで、女生徒は男性の真意を理解したと言う事さ」
「折木さん 、それなら、わたしも見ていました。男性の本当の目的は何だったのでしょうか?」
 わたしの疑問に折木さんは笑いながら
「単純な話さ、女生徒の襟にクリーニングのタグが付いていたのさ。それも目立つように黄色か何かでな。男性はそれを教えたかったのだが、変に勘違いされてしまったと言う訳さ。それでメモに書いて教えたと言う訳さ。単純な話で、痴漢でも何でも無かったと言う事さ」
 そうだったのですか、それでその後態度が変わったのですね。一見痴漢行為かと思うような事でも真実は全く違っていたと言う事ですね。
 何時の間にか折木さんは繋いでいた左手を放して夢中でわたしに教えてくれました。そんな姿を見て、嬉しくなったのでした。

 バスはもうすぐ陣出に到着します。家に着いたら折木さんの好きな酸味の効いたコーヒーを入れてあげようと思います。
 でも、折木さんが父に尋ねたい事っていったい何でしょうか? わたし気になります!
  
 了
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