「超能力高校生はパフェがお好き」 第10話

第10話 「鈴和、阪急に驚く」

鈴和は新幹線の中で汗を拭っていた。
思ったより「味噌煮込み素麺」は難物だったのだ。
一方、英梨は汗も大して掻かず涼しい顔をしている。
「やっぱり慣れてる奴には敵わない」と思っていた。

「そう言えば情報は貰ってるわよね」
「あ、はい戴いています。鈴和さんの情報とすり合わせないといけませんね」
「そんな敬語なんて使わなくても良いよ。同じ歳なんだしさ」
「でもボスのお嬢様ですから……」
「そんなの関係無いから……ね!」
「わかりました。じゃあ普通の言葉で言います」
そんなやりとりがありやっと、まともに話す事が出来た。

お互いのスマホを取り出して本部から来た情報のすり合わせをする。
「現場の位置情報貰ってる?」
鈴和が聴くと英梨は「伊丹シテイホテルのから西に8分ほど歩いた市立伊丹高校の傍だとか、一応貰ってますけど土地勘無いから……」
「そうだよね。私も無いもんGPSだけが頼りかな。もちろん住所は判ってるんだけどね」
「でもどうして、関西支部が動かないんですかね?」
「あ、それはね」
鈴和はこの前の「ヒロポン事件」を詳細に語って聴かせた。
「うわ~悪魔の様な奴ですね。で、鈴和さん狙われてるんですか?」
「う~ん。今はそう言う感じはしないけど、きっと手不足なのと東京に私を余り居させたく無いと思ってるだと思うの」
「やっぱり、ボスは鈴和さんを溺愛してますからねえ」
「ちょっと、やめてよ!ウチの父が溺愛なんて……」
「えへ!」
そう言って二人は笑って新大阪に向かって行った。

新大阪に着くと鈴和は英梨に
「乗り換えるんだけど、東海道線ね。それに乗って1つ目だから」
「でも面白いですよね。JRは「大阪」なのに同じ所にある私鉄や地下鉄は「梅田」なんて」
「そうねえ、なんでかね?あ、ここだ、この階段降りると東海道線のホームだよ」
二人はエスカレータを降りるとホームに降り立ち、英梨が
「来た電車は何でも乗って良いのですかねえ?」
そう訊いて来るので鈴和は
「この駅に止まっる電車はみんな大阪に止まると思うよ。名古屋だって大曽根に止まった電車は皆名古屋に止まるでしょう」
「そう言えばそうですね」
そう言いながら英梨はホームにある立ち食いのうどん屋さんを眺めている。
「ねえ鈴和さん、帰りは「きつねうどん」食べて帰りましょうよ」
「きつねうどん?そんなの東京でも名古屋でも食べれるでしょう?」
「違うんですよ。美味しいんですよ!ね!」
どうやら英梨は食道楽の毛があるようだと鈴和は思うのだった。

大阪駅に着いて地下道を阪急電車に乗る為に歩いて行く。
地下街でサラリーマンがたかってる店があるので何か?と覗いたらなんと立ち飲みの店だった。
「凄い!東京なら東京駅の地下街に立ち飲みの店がある様なものだわ。考えられない」
「いや~凄いですね。
二人で阪急電車のりばの案内の通りに進んで行く。
きっと目立つのだろう、高校生の男子や大学生らしい男どもが二人を舐める様に見て行く。
それはそうだろう。一人は見てくれもスタイルも抜群の高校生。
もう一人は175センチありながらもこれも抜群の容姿の高校生だ。
注目を集めるな、と言うのは無理だと思う。
鈴和は気にしないが英梨は相当気になるらしい。
「なんかジロジロ見られてますよ」
「気にしない!皆畑の芋だと思えばいいよ」
鈴和のあっけらかんとした言い方に英梨は笑ってしまった。

やがて阪急の梅田の駅についた。
伊丹までの切符を買って自動改札を抜けて、神戸線のホームに行く。
「はあ~私鉄なのに凄いですね。名鉄の名古屋駅は凄いですけどここのほうが大きいですね」
英梨が感心してると「どれに乗ればいいんですかね」と鈴和に訊いてきた。
「ほらこの路線図を見ればいいじゃ無い。まず塚口と言う駅まで行って、そこで伊丹線に乗り換えるのよ。塚口は特急以外は皆止まるから大抵のは大丈夫よ」
そう言って二人は準急に乗った。
間もなく電車は動き出す。
すぐに中津と言う駅に止まる。
ここで隣のホームにも電車が止まっているのが見えた。
やがて動き出すと、新淀川の鉄橋に差し掛かった。
ここで二人とも驚いてしまった。
何と、自分の乗っている電車、それに隣の鉄橋を走っている電車。そしてその向こうにも同じ色の電車が並行して鉄橋を渡っている。
その壮大さに我を忘れて見入ってしまった。
「凄い!阪急ってすごい! でも全部チョコレートに見えて着ちゃた。伊丹着いたらパフェ食べよう。ね英梨!」
英梨は突然の鈴和のパフェモードに戸惑うばかりだった。

二人は伊丹駅に着くと、伊丹シテイホテルのチェックインした。
ここは宿として組織が予約を入れてくれていたのだ。
部屋に入り、地元の組織の人物に連絡を入れるとすぐ行きます、との返事だった。
その通り、荷物を開ける間も無く部屋のドアがノックされた。
開けると30歳くらいの女性が立っていた。
「こんにちは、アルファと申します」
その女性はにこやかに自己紹介をした。
ひと目見て能力者と判り、しかも組織の人間だと判ると二人はアルファを部屋に入れた。
「これから荷物を整理されたら、私が直接現場にご案内します。事情を説明したら、私は今担当しているヒロポン事件に戻ります。そちらの指令が片付いたら又ご連絡下さい」
アルファを名乗る女性は極めて事務的に説明をする。
「こちらでもヒロポンは広まっていますか?」
そう鈴和が聴くとアルファは
「それはもう、先日は大元の能力者とやり合いました。逃げられましたが……」
それを訊いて鈴和は
「忙しい処すいません。早速行きましょう」
そう言って英梨と共に立ち上がった。

「超能力高校生はパフェがお好き」 第9話

第9話 「味噌煮込み素麺は名古屋の味」

「鈴和、何見ているの?」
康子は教室の机に座って何か地図の様なものを見ている鈴和に声を掛けた。
今日は終業式で明日から夏休みだ。
「うん、今度ね伊丹に行くから地図見ていたの」
「旅行? 家族で? 夏休みだもんね。いいなあ~」
そこまでを一気に言うと康子は鈴和に顔を近づけて
「おみやげお願いね!」
そこまでを言うと鈴和は呆れて
「違うよ、仕事。組織の仕事だよ」
「なあ~んだ。がっかり。でも東京の鈴和がなんで大阪の伊丹迄行くの?」
鈴和はそれは説明しないと判らないと思った。
「実はねえ、伊丹に幽霊が出て、しかも傍を通る人に被害が出ているそうなのよ。それで私が行って解決する訳」
「でも、向こうにも霊能者いるんでしょう?」
「いるけど、今ね大阪もヒロポンが広がっていて、そっちに皆かかりきりになってるの」
「そうか、それで鈴和がわざわざ行く訳ね。じゃあ神城先輩と一緒?」
鈴和は、そうか康子はそれが訊きたかったのかと思った。
「それがね、康子はどう思うかも判らないけど行かないわ」
それを聴いた時の康子の喜び様は無かった。
鈴和は本気で笑ってしまった。そして親友の事を「いじらしい」と思ってしまった。
「神城先輩はヒロポンの事でこっちで掛かり切りだからね」
そう言って康子を安心させる。

「あのね、新しい人と一緒に伊丹に行くのよ」
「ふううん、それは誰?」
「さあ? 大阪に行く途中で合流するから」
「へえ~日本を股に駆けるんだね。で何処で合う訳」
「それが良く判らないから、こうやって地図で確認してるのよ」
康子は鈴和が見ていた地図を横から覗き込んだ。
そこには「名古屋駅地下街全図」と書かれていた。
「なんで大阪なのに名古屋?」
不思議そうに言う康子に鈴和は
「だって待ち合わせ場所が「山口屋本店、名古屋駅前店」なの。
「なにそれ?」
「うん、何でも名古屋じゃ有名なうどん屋さんなんだって、特に味噌煮込みうどんが美味しいらしいって」
「あたしだったら、うどんじゃ無くてパフェだなぁ」
「私だってその方が良いけど、仕方無いから、向こうからの指定だし、名古屋の娘なのよ」
「じゃ仕方無いね」
そう言って康子はもう一度その地図を見て
「それでも判りづらいわ。結局何処?」

翌日、鈴和は新幹線に乗って名古屋に向かっていた。
名古屋は一度行った事がある。
豊川稲荷へ参拝して栄で買い物したのだ。
道路が広いと言う印象しか無かった。
「あの時味噌煮込みうどん食べておけばもっと印象が違ったかしら?」
窓から外を見ながらそう思っていた。
名古屋駅に着くと、改札で「途中下車です」と言って外に出る。
色々な人に訊いて、ユニモールと言う地下街にその目指す店があると判った。
「ウチの組織ってなんか間が抜けてると思うわホントに」
ブツブツ言いながらも何とか目指す「山口屋本店、名古屋駅前店」を見つけた。
「山口屋本店って本店って名が付いてるのになんで名古屋駅前店なんて付いてるんだろう?」
鈴和はそう言いながら店の暖簾をくづった。

「いらっしゃいませ」
店の人に明るい声で出迎えられる。
時間的に昼時には未だ時間がある為空いていた。
鈴和が店内を見て戸惑っていると、ある少女が近づいて来た
「こんにちは、貴方が上郷鈴和さんですか?」
鈴和より10センチは大きいと思われる娘がにこやかに挨拶をした。
鈴和は声のした方を見て見上げてしまった。
「ああ、こんにちは、貴方が佐々木英梨さんね」
鈴和の身長が162センチだから英梨は172センチ以上ありそうだった。
「随分背が高いのね。驚いちゃった。宜しくね」
そう言って右手を差し出した。
「こちらこそよろしくお願いします。身長は175あります」
そう言って握手して、英梨と鈴和が呼んだ娘は笑った。
「席に座りましょう」
そう鈴和が言って二人は英梨が座っていた席に座った。
店内は木の感じの装飾がされていて、床は黒の石のタイルが敷き詰めてある。
テーブルは明るい茶色で統一されていて、椅子も横長の机と同じ色の椅子が備え付けてある。

「お昼には早いけど食事にしませんか?」
そう言う英梨の提案で二人はうどんを食べる事にした。
「やはり、味噌煮込みうどんかなぁ……暑いんだけどね」
メニューを見ながら鈴和は考えてしまった。
今日も軽く30℃を越えている。店内は冷房が入って涼しいが、熱いうどんを食べれば暑くなるに決まってる。
「どうしようかな~」と考えていると、メニューの端に「☆新メニュー」と書かれた処があった。そこを見ると「味噌煮込み素麺」と書かれていた。
これなら素麺だから食べやすいと思った。
「私はこれにするわ!英梨さんは?」
英梨はメニューを見ると
「同じにします。煮込みうどんは何回も食べていますから」
そう言ってニコニコしていた。肩まである髪の毛を左右に結んでいて、顔だけ見れば鈴和より幼さなそうな感じがする。
「私は高校1年だけど貴方は幾つなの?」
そう言われ英梨は頬を染めながら
「同じなんです。背は高いんですけど」
そう言って笑った。
「能力は?私は……」
「あ、知っています。ボスから連絡がありました。私の能力はテレポートと透視、それからちょっとテレパシーが使えます」
それを訊いて鈴和は「結構使える」とそう思っていた。
そこに、注文の「味噌煮込み素麺」が湯気を立てて運ばれて来た。
それを見た鈴和は
「こりゃ幽霊退治より大変かも」と思うのだった。

「超能力高校生はパフェがお好き」 第8話

第8話 「パフェなんか食べている場合ですか!」

 神城の腕の中で鈴和は目が覚めた。
「あ、神城先輩……どうしてここへ」
鈴和はぼんやりした頭ながら、ここに居るはずの無い神城が自分を抱いてくれているのが不思議だった。
「何を言っているんだい。一人でこんな危ない事をしたら駄目じゃないか!」
神城にしては珍しくキツイ言い方で鈴和をたしなめた。
「だって……ただ、浅野さんに訊くだけだと思っていたんだもん」
半分甘える様な言い方だった。
「そんな言い方しても駄目だよ」
そう言ってると浅野邸には爆発音を聞きつけた野次馬と彼らが連絡したパトカーと消防車が到着していた。
彼らは中に入ろうとして戸惑ってしまった。
それはそうだろう。門は閉まっており鎖でがんじがらめになっている。
おまけにそれは暫く人が触った形跡が無く錆びついており、無理矢理こじ開けて中に入っても
玄関は完全に締められており、人が触った形跡さえ見られなかったからだ。
それでいて、居間付近が崩れ落ちているのだ。
まるでそこだけ何か固いものが天から降って来た様な感じだった。
「なんだこりゃ……」
警察も消防所員も全くわけが分からなかった。

鈴和と康子は神城に保護されて家に帰る事にした。
敵が逃げたなら何時までもここに留まってる必要は無いからだ。
「いいかい、今度からは必ず僕が一緒に行動するからね。判ったね!」
神城は未だ鈴和に言ってる。康子は神城にここまで心配させる鈴和が羨ましかった。
そうなのだ康子は神城に憧れに近い恋心を抱いているのだ。
帰り道を歩いているとフルーツパーラーが鈴和の目に入った。
「ねえ、先輩、ちゃんと言う事利くからちょっと寄って行きましょう」
そう言って神城の上着の袖を引っ張る。
やれやれと言う顔をしながらも神城は鈴和に危険な目をさせるならパフェでも食べさせていた方が安心だと思う事にした。
「ああ、じゃあ寄って行こうか。ボスとお母さんには連絡しておくよ」
康子が入ろうか戸惑っていると神城は
「どうしたの康子ちゃん!」
そう声を掛けられた。
康子は神城と鈴和の家族に近い親密な感じが羨ましかったので何となく遠慮してしまったのだ。
「あ、はい」
そう短く返事をすると一緒に中に入って行った。

「フルーツパフェ3つね」
「いや二2つで良い!」
「ええ、先輩は?」
「僕はコーヒーでいいよ。甘いのは苦手だ」
「へええ、先輩変わってますね」
康子がそう口を開くと鈴和は
「変わってるのよ」
そう言って康子を笑わせる。
やっと何時もの鈴和に戻って来たと康子は思っていた。

「お待ちどう様」
店員さんが三人にそれぞれ注文したものを運んで来た。
「ああ、これこれ!」
そう満面の笑みを浮かべながら一口スプーンでクリームを口に運ぶと
「ああ、美味しい!やっぱ専門店は違うわねえ!」
こぼれんばかりの笑顔で食べていると、いきなりパリーンと言う音がして鈴和のパフェが粉々に砕けてテーブルから落ちて行った。
窓際を3人が見るとそこには同じ制服を着た少女が立っていた。
「あ、浅野さん!」
康子の叫びを聴くと鈴和はテレポートで二人の前から消えていた。
「鈴和ちゃん!」「鈴和!」
二人の叫びを無視して外に行ったのだ。

鈴和は感じた気がさっき浅野邸で感じた気と同じなので、先ほど戦ったのが浅野さんだと直感したのだ。
鈴和は浅野さんの前に立ち
「さっきは良くもやってくれたわね」
そう言うと、なんと浅野さんは
「それはこちらの言い草さ。やっと収益を上げられる用になったら嗅ぎつけて邪魔しやがって」
浅野さんの言い方は高校生とは思えない感じだ。
「浅野なんてのはこの世界の仮の名さ。本当はサツキ、アンタの親父さんと同じ様な組織の一員さ。但し異世界のね」
「やはり異世界の人間だったんだ」
「ここまで話したらあんたには今度は本当に死んで貰うよ」
そう言ってサツキは鈴和に気の玉を連続で放つ、
咄嗟に横に逃げて交わす鈴和、
鈴和の横をすり抜けた玉は後ろのコンクリートの壁に食い込んで破壊した。
「あんなの食らったら死んじゃうよ。ヤバ!」
そう言いながら横に移動しながらも鈴和も気を玉にして放って行く
鈴和の玉はサツキの肩を僅かにかすめて行った。
「ウッ」
小さくサツキが呻くと鈴和は続けて放って行く。
さっき浅野邸で戦った時より強力だ。
「人がせっかく楽しんでるパフェを台無しにして……絶対に許さないんだから!」
怒りに鈴和の体から銀色に光るオーラが放たれて行く。

遅れて表に出た神城はその鈴和のオーラを見ると鈴和が通常の能力では無く、一段上の力を発揮するのだと理解した。
鈴和の能力は強力なのだが、状態が不完全なのでコントロールしづらいのだ。
それで母親の陽子も心配するのだ。

一瞬怯んだサツキに続けて気の玉をお見舞いする。
3発放ったうち2発がサツキの足を直撃した。
たちまち転ぶサツキ
「なんだよ、前とパワーが違うじゃ無いか。クソ!調査のやつら隠し能力まで調べ無かったな!」
サツキは今更ながら仲間の調べかたの不十分さを呪った。だが後の祭りだ。
引きずる足を動かして、鈴和目掛けて玉を放出するが、全て銀色のオーラに弾き返されてしまう。
「よし、こうなったら」
サツキは手で円を描くと円盤上に気を形成して回転させながら鈴和目掛けて放った。
凄まじい回転をしながら鈴和目掛けて円盤が襲って来る。
鈴和は木の陰に隠れるが円盤はその木も簡単に切り裂いてしまう。
鈴和は円盤目掛けて気を放出するが、簡単に弾き返される。
「これは厄介ね」
鈴和は思いついた。硬いからはじき返されるんだと。
柔らかくして吸収すれば良いのだと。
鈴和は四面体に加工した気の塊を拵えた。
そして向かって来る円盤にそれをかざす。
気の円盤はその四面体に当たると回転を止めてやがて蒸発して行った。
「もうお終いよ。観念しなさい浅野さん、いいえサツキさん」
鈴和の呼びかけにサツキは
「冗談じゃ無い。一旦は引き上げるが、鈴和あんただけは許さ無いからね。
必ずもう一度アンタを殺しに来るからね」
そう言うと3人の目の前で姿を消して仕舞った。
「あ、テレポートかな、それとも……」
そこまで鈴和が言うと神城が
「異世界の仲間の所に帰ったのだろう」
「そうか、やはり逃してしまったか。残念!」
そう言って鈴和は汗を拭っていた。
梅雨が明けないとは言え7月だ、これだけ動けば暑いハズだと康子も思った。
もう鈴和からは銀色のオーラは出ていない。
「ああ、パフェ食べ損なっちゃった。アイツ絶対許さないんだから!」
それを見て神城は
「判ったよ、さつきの器も弁償しなければならないし、もう一つ注文しよう。あ、康子ちゃんの分もだから3個だな」
さんこ?先輩甘いの嫌いって言いませんでした?」
「まあ、たまには良いだろう!」
そう言いながら又店に入って行った。

後ほど判った事では、浅野邸はそこに住んでいた浅野さんが亡くなり、子供達の遺産分割協議の結果売却して各人相続が決まっており、近々解体される予定だったそうだ。
そこを連中が根城にしていたらしい。
それに住民登録はどこでも出来るから高校も疑わなかったのだ。
鈴和は中に入った時の事を思い出して
「だから電気も通じて無かったのか!」
「でも鈴和は私が門に鎖がって言おうとしたらもう消えてるんだもん」
「まあ、それは言わないで……ね。だって中を霊視したら変な気の奴が居たからさ」

売人の浅野さんは消えて一旦「勉強の出来る薬」騒動は収まったかに見えたが、
実は密かに流通するだけになったに過ぎなかった。
裏で売買される様になり、今度は売人の詮索も難航すると思われた。
「まだ、安心してパフェ食べられないわね」
そう鈴和は思い、決意を新たにするのだった。

「超能力高校生はパフェがお好き」 第7話

第7話 「侮った鈴和」

鈴和がファミレスから帰って着替えていると、下から呼ぶ声がする。母親の声だった。
階段を降りてリビングに行くと、母の陽子がテーブルに座っている。
「ちょっとお話があります」
明らかに怒りの声なので、陽子の守護霊にコンタクトを取ると、鈴和の方を見ながら首を左右に振っている。ダメだと言う事なのかと思う。
母親の陽子の向かいに座ると、いきなり小言が飛んで来た。
「あなたねえ、色々と調べているけど、危険だと思ったらすぐテレパシーで伝えるのですよ。判ってます?」」
そう言われて鈴和は「危険じゃ無いよ学校で友達に訊いてるだけよ。それだけ」
「なら良いけど、貴方の能力は未だ不完全な処があるから母さん心配なのです」
「大丈夫です!大元が浅野さんて娘だって判ったから、明日訊いて真実を解明して終わりだから」
「判りました。でもチョットでも危険を感じたらすぐに……」
「はいはい、判りました。危険な事なんて無いから……」
そう言うとそれ以上陽子は鈴和に言わなかった。
「それよりお父さんは? 大変なのかな?」
「多分今日はお帰りにならないと思いますよ。さっきの連絡だと「敬愛学園」と「港南高校」にも被害が出ているらしいですから、そっちを調べているそうです」
「じゃあ、ウチの学校は私が調べる!」
「絶対無理はしないでね!」
陽子はそう何回も念を押すのだった。

翌日は午前中で授業は終わりだが、期末の結果が貼りだされた。
1年のクラスがある廊下の掲示板に1年のだけが貼りだされている。
鈴和は康子と一緒に見に来たのだが、内容を見るなり
「やはり1番は浅野さんか、薬のおかげかな?私は10番かまあまあだな、康子は?」
そう言って康子に抱きつく
「私は……ええと……やった!30番だ」
「やったじゃん!康子!」
「でも数学と英語は薬のおかげだから……あまり喜べ無いな……」
「この次頑張ればいいよ。ね!」
鈴和のその言葉で多少罪悪感が消えた康子だった。

「それよりさ、浅野さん今日も休みだって、美樹が教えてくれたよ」
そう言う康子に鈴和は
「じゃあ、家まで行って、口を割らせるか?」
と刑事物を真似た口調でふざける。
「家まで行くって、住所知ってるの?」
康子が半分呆れて言うと鈴和は
「職員室に誰も居ない時にテレポートして盗み見る!」
そう言って胸を反らせるが自分で笑い出して
「そんな事しなくても、先生に『浅野さんお病気みたいなのでお見舞いに行きたいので住所を知りたいのですが』って甘える様に言えば簡単に教えてくれるでしょう?」
康子は「まあ、そこまで言うなら、その件はお任せするわ」
そう言って笑った。

実際、鈴和の言う通りに簡単に先生は教えてくれた。
「宝町2丁目3番地2号だって」
メモした住所を見ながら二人は歩いて来た。
「このへんだよ確か……あ!あったここだ」
康子は「浅野」と書かれた表札を見ながら鈴和に教える。
鈴和はその家を見上げていた。
「結構大きな家だねえ。お嬢様だったんだ、浅野さん」
鈴和が見上げた先は鉄格子の門に囲まれた2階建ての結構大きな洋館だった。
昨日今日建てたシロモノではなさそうだ。

「まずは正攻法で行くか」
鈴和はそう言うと門柱に付けられた呼び出しのチャイムのボタンを押すのだった。
微かにチャイムの鳴る音が聞こえて来る。
しかし、誰も出てこない。
鈴和はもう一度同じ事をしてみた。
……やはり誰も出ては来なかった。
「やはり駄目か……それじゃ仕方が無い」そう言うと鈴和は目をつぶり何やらぶつぶつと言い出した。それを見ていた康子は、鈴和の能力が発揮仕出したと思った。

鈴和はこの時、家の中をテレパシーでスキャンしていたのだ。
この能力は鈴和はそう得意では無いが、友人の為を思うと全力でやってみたのだ。
「誰もいない?……ん! 誰か居る。一人居るわ!」
そう言ったかと思うと
「呼びかけてみたけど反応が無かったわ、なんか邪悪な気を感じる」
康子は鈴和を信用していたので、それを信じて
「どうする中に入る?でも不法侵入になるか?」
そんな事を言っているのだ。
「入った証拠が無ければ犯罪を立証しようが無いでしょう!」
鈴和はそう言って「危ないから康子はここに居て、出来たら、反対側の公園に居て欲しいの」
「何か危険な事があるの?」
そう言う康子に鈴和は
「ううん、私のテレポート自分しか移動出来ないから、康子には悪いし、中に居る奴が変な気を出しているから万が一の場合よ」
「そうか、じゃあくれぐれも気を付けてね」
「うん大丈夫浅野さんに訊いて来るだけだから」
鈴和はそう言うとすうーとその姿を康子の前から消してみせた。

神城はHRが終わった後鈴和と康子を探していた。
クラスに行って教室の娘に訊いても「知らない。帰ったかも知れない」と言う答えしか帰って来なかった。
そこで、昨日の鈴和の話に出て来た美樹の処に行って訊いてみたのだ。
「レイとヤスならきっと浅野さんの家に行ったのだと思う。今日も休みだから」
「ありがとう!」
神城はそう言うと、美樹から訊いた浅野家の家に向かっていた。
「危険だ!あの二人は単なるクラスメイトの家を訪問するノリだろうが、事がバレたと向こうが知っていたら、あの二人を只では済まないと思うのだった。
「間に合ってくれ!」祈る様な気持ちで走りだしたのだ。

鈴和は家の台所に居た。洋館だから靴を脱がなくて良いのは助かった。家の中は薄暗く、外からの光しか家の中を照らしていなかった。
そっと鈴和は移動を始めた。歩きながら家の中に気が無いかスキャンしていると居間の方で反応があった。
静かに鈴和は近づいて行く。
もう少しで居間に入ると言う所で鈴和は結界が張ってあるのに気がついた。
気の結界で、要するにバリアの様なものだ。
これでは先に進めない。それにしてもこれだけの結界を張れるのは只者ではないと思った。
「そこに居るのは誰?」
思い切って声を出してみるが反応は無い。

フッとその時結界が無くなったと思ったら、今度は気による攻撃を仕掛けられた。
これはいわゆる、気を玉の様に加工して物凄い勢いで発射させるのだ。
殺傷能力は無いが当たるとかなりのダメージを受ける。
鈴和は急いで自分も結界を張り、攻撃を跳ね返す。
派手な音も何もしないが、誰だか分からない相手と鈴和は凄まじい能力合戦に巻き込まれてしまった。
「なんだよ!こんな奴が居るって思わなかったよ」
小声で呟きながら、鈴和はその自分を攻撃して来たと思われる人物の後ろに廻る事にした。
テレポートで瞬時に移動して行くが相手も同時に移動して行く。
「やるじゃんこいつ。ようし見ててご覧なさい」
鈴和は気でおおきな球体を拵えてその球体で相手をそっくり包み込む作戦に出た。
これなら、相手の自由を奪う事が出来る。
鈴和は球体を拵えると目標の相手を包みこんだ。
そして、自由を奪う為にその球体を小さく固め始めた。
その時だった。相手はその球体を自分の気を刀の様に加工して切り裂いたのだ、
固めていた大量の気が一気に切られて開放されたので、その力が爆発の様に広がって行く。
その瞬間鈴和は危険を感じ瞬時にテレポートして康子が待っている公園に移動した。
その瞬間、家の中から大爆発が起こったのだ。
ド、ド、ドーンと言うガス爆発にも似た音が周りにこだまする。
見ると洋館が半壊をしていた。幸い火の気は無かったし、ガスなどに引火する危険も無かったのだが、音だけは凄まじかったので近所の人が出て来てしまった。
鈴和と康子はそれを向かいの公園で見ていた。

「どうしたの?」
「うん、中に能力者が居てね、対決していたの」
そこまで言って力を使い果たしたのか鈴和は崩れる様に倒れてしまった。
そこに神城がやって来た。

神城は遠くから爆発音が聞こえて来たので、これは気のぶつかり合いの爆発音だとすぐに判り、鈴和の身を案じて急いで来たのだった。
「鈴和ちゃんしっかり!」
神城は鈴和を抱き抱えると鈴和の頬を軽く擦る。
「良かった気を失ってるだけだった。康子ちゃん、鈴和ちゃんは誰かと戦ったんだね?」
そう聴かれ康子は「そうみたいです。中に能力者がいて対決したって言ってました」
それを訊いて神城は
「なんて事を、もう少し待っててくれれば僕が駆けつけたのに……」
それにしても一体、鈴和と対決した能力者とは誰なのか、それに浅野さんは何処へ行ったのか?全ては全く判らないままだった。

神城は自分の腕の中で眠っている鈴和をそっと見つめるのだった。
「起きたら訊いて見るしか無いな」と……

「超能力高校生はパフェがお好き」 第6話

第6話 「美樹の想い」

屋上の手すりに捕まって美樹は空を見上げながら
「いい天気だね。昔さ、まあ中学の頃、私地元の暴走族に入っていたじゃない。親とか先生に反発してさ。そのおかげで私立は軒並み落ちちゃって、ここに補欠合格したんだけどさ」
傍に鈴和と康子もやって来た。
「浅野さん。そんな噂を聞いたんだろうね。私に薬の事持ちかけて来たの『勉強が出来る様になる薬だから使ってみたら』ってね。でも私は使わなかった。大学 へ行く積りなんか無いから赤点さえ取らなければいいからね。そう言うと浅野さん『じゃあ勉強が出来る様になりたい娘が居たら紹介してね』ってそう云われた の」

手すりに保たれながら校庭を見て話していた美樹は振り返り、二人の方を向き治り
「適当に返事していたの。実際は誰にも声を掛けなかった。だから当てが外れたのか、
浅野さん自分で色々な人に声を掛けていたわ」
鈴和は美樹の横に立ちもう少し詳しく訊いてみた
「ねえ美樹、浅野さん誰に声を掛けていたか覚えてる?」
「う~ん大分忘れちゃったけど……」
と言いながら3人の名前をあげていた。
鈴和はそれを覚えると美樹に
「美樹はあの薬が覚せい剤だって知ってたの?」そう訊いてみた。すると美樹は
「うん、知ってたよ。だってほら私、前は暴走族だったから、周りの娘や上の人達が色々な麻薬をやってるの見ていたからね。覚せい剤は3日ぐらい寝ないでも平気になるんだよね。
食べなくても平気だから、年中使ってると痩せて体がボロボロになって行くのも見たしね
だから、『勉強が出来る薬』なんて覚せい剤しか無いとすぐに判ったわよ」

鈴和はもう一つの疑問を美樹が知ってるか訊いてみた。
「あのね、この前教室で見たことの無い娘とぶつかったの。その娘が落として行ったピルケースの中の錠剤を調べたら……」
「強い薬だったんでしょう」
「知っていたの?」
以外な美樹の言葉に鈴和は驚いた。
「なんで知っていたの……」
「あのね。あの子はウチの学校の制服を着てたまに浅野さんから薬買っていたからね」
「ええ!じゃあ前からやっていたんだ、その娘は」
「絶対口外しちゃ駄目だよ。その娘はねえ敬愛学園の娘なんだ。お姉さんがこの高校の卒業生でね。その制服を借りたんだと思う」
鈴和はまさかとは思っていたが、薬の被害は他の高校にも及んでいたのかと空恐ろしくなった。
敬愛学園とはこの高校の傍にある中高短大を併設している私立女子校で、この辺ではお嬢様学校として有名である。

「なんで私が知っていたと言うと、私の姉貴が彼女のお姉さんと同級生だったからね。
そして私、浅野さんに訊いたのよ。なんであの娘はこの学校まで変装してまで買いに来るのかってね」
「ちょっとまって!買ってたって、お金取っていたんだ浅野さん!」
それまで黙っていた康子が驚いて叫ぶ様に言う。
「だってあたしにはくれたよ浅野さん」
それを聴くと美樹は笑いながら
「ヤスは何にも知らないのね。始めはタダでくれるのよ。気に行ったら次からは買ってね。
となり、それからは言い値で買わされるのよ。浅野さん彼女から1錠1000円貰っていたわ」

康子は本当に事がバレてよかったと思い始めていた。
意志の弱い自分の事だ、きっと段々強いのを求めて……そう考えると身震いがするのだった。
「多分、これは私の想像だけど、きっと敬愛の売人は強いのを持って無かったのね。あるいはこの学校よりも薬が入ったのが後なのでそこまで強いのは必要無いのかもね」
そう言って美樹は空をまた見上げた。
その先を鈴和が見ると三人の守護霊が寄って呑気に井戸端会議をしている。
まさか見える訳でも無いのだろうが、何となく気になった。

「レイ、あんたにはこの上で私らの守護霊が何を言ってるか判るんだよね。中学の頃はさあ、
その能力が羨ましくてね。親しくしてれば自分にも、それが移るじゃ無いのかと思ってさ、
何時も学校じゃ一緒にいたんだ」
美樹は鈴和の方を向き直り
「でもね、そうじゃ無かった。レイはそんな能力があっても無くても同じだったと思う。
そう言う人にしか能力は宿らないんだよね。何時も一緒にいて良く判ったんだ」
鈴和はそれは違うと思っていた。
そう見えるのならそれは、自分の能力を何度恨んだ事か数えきれない程悩んだ末なのだと……

「レイこれからも友達でいてくれる?私今日言えてよかった……実はね誰かに言わないと
イケナイと思ってたのにどうして良いか分からなくて誰にも相談できなかった。
元暴走族だからってちょっと強面の顔してなくちゃならなくて……学校で恐ろしい事が広まっているのに、何もできなくて辛くて、怖くて……ゴメンネ、レイならきっと解決してくれると思ってもっと早く言うべきだったのに……私駄目だよね……本当に……」
そう言って美樹は目に一杯の涙を貯めていて、下を向くとその雫が落ちて屋上の床に染みを拵えていた。
それを見た鈴和は優しい笑みえを浮かべて
「そんな事無いよ!良く教えてくれたじゃ無い。今までそんな恐ろしい事を一人で心に仕舞っていたんだね。大丈夫!私頑張るから」
「うん、まだ、私達友達かな?」
「何言ってるのさ。当たり前じゃ無い。落ちついたら又パフェ食べに行こうよ」
「うん、でも私はチョコサンデーかな」
そう言って三人は笑った。


放課後の帰り道、康子と鈴和は神城との待ち合わせのファミレスに向かっていた。
「ねえ、美樹だけど、薬貰ったのに使わなかったなんて凄いね。あたしとは違うね」
そう言う康子に鈴和は
「違うよ。美樹は自分の信じてる事以外はブレないんだよ。だから中学の時周りのみんなが暴走族辞めろって散々言っていても辞めないで逆に『高校行ったら辞 めるから』って言ってて皆信用しなかったけれど、本当に辞めたよね。それと暴走族の時も髪の毛は染めなかった。あれ見て美樹は自分の中にある価値観がしっ かりしていてブレ無いんだと思ったの」
「そうかあ、あたしなんかブレっぱなしだもんなぁ」

店に入ると神城は先に来ていた。
二人を見ると大きく手をひらひらさせる。
「何か判ったかい?」
そう言う神城に鈴和は美樹の言った事を手短に話してみせた。
「そうか、敬愛からねえ……」
「先輩の方は?」
「その前にパフェ頼むんだろう」
「あ、忘れてた。じゃお願いします」
そう言って店員にパフェとドリンクバーを康子の分と一緒に頼んだのだった。

「まず、お父さんには報告して組織で取り上げる様に頼んでおいた。それから2年の方だけど、
やはり女子を中心に広がっていた。ついでに3年も調べたら、エラい事になっていたよ」
「それは、どういう事ですか?」
鈴和の顔色が気色ばんで来た。
「うん、受験を控えている3年はかなり使っている者が多くてね。男子も使ってるんだ。
男子は量の多い奴を最初から使っていてね。常習者も多いと言う事だ」
「先輩、良く短時間でそれだけ調べられましたね。一人じゃありませんね」
そう言われて神条は笑いながら
「いや、お父さんが能力者を回してくれてね……」
「やっぱり……」
恐らくテレパシーを持つ能力者を何人か送り込んで、片っ端から脳内をスキャンしたのだろうと思った。
事情が許せば自分もそう言う事をしたい。いや明日からは自分も能力を使う積りだった。
ただ、今日の康子や美樹に対しては使いたく無かったのだ。
「その浅野さんて言う娘がウチの学校の大元らしいとは判ったんだ。調べた人間辿って行くと最後はその娘に辿り付く」
「結局は浅野さんかぁ~ 明日訊こうかな」
鈴和は口ではそう言っていたが、明日は自分の脳力をフルに使ってでも、彼女を問い詰める積りだった。同級生や先輩達を覚せい剤の常習者にしたのは許せなかった。
でも、でも今はいい、すべては明日から始めよう。その前に……

鈴和と康子はパフェを美味しそうに食べている。
「やっぱりさあ、この前の『喫茶館』もいいけど、我々はここの何時もの味だよね」
「そうだよね~」
これを食べている時は本当に幸せそうな顔をすると神城は思った。
この顔を見るのなら、奢る金額は安いとさえ思っていた。
そして、兎に角マスコミが嗅ぎつける前に事件を片づけなくては、と思うのだった。
既に組織が動き初めている。
そっちの情報も段々と入るだろう。
神城は自分もコーヒーを飲むとささやかな安らぎを覚えていた。
全ては明日からだと……
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